架空の杜

The journey is the reward.

今日の箴言:問題を複雑にすることを通じて問題を簡単にする

僕がこだわっていた仮説があります。それは本文中にもでてきますけれど、「簡単な話は複雑にした方が話は簡単になる(ことがある)」というものです。
矛盾した言い方ですけれど、最初の「簡単」と二番目の「簡単」はレベルが違います。例えば、「私は正しい」と言い立てている人が二人いて対立している場合を想定してください。どちらかを正しくて、どちらかを間違いと裁定してしまうと話はとりあえず「簡単」になります。でも、「お前は間違いだ」と言われた方がその裁定に納得できなくて、「こんなのは認められない」と騒ぎ立てて、テーブルをひっくり返して暴れ出すと、話は全然「簡単」ではなくなります。
白黒の決着を付けずに、「どちらもちょっとずつ正しくて、ちょっとずつ正しくない」というふうに話を複雑にしてしまうという手もあります。そして、「どうです、両方でちょっとずつ歩み寄って、『双方ともに同じくらい不満な解』で手を打つというのでは」と持ちかける。「双方とも同じくらいに不満」で、正しくもないし、間違っているわけでもないという中途半端なあたりを「落としどころ」にして、「あと、細かいところは、そのつど調整して」というふうにしておく。話は全然解決していないのですけれど、これが持っていきかたがうまければ、双方ともふくれっ面をしながらも、「とりあえずまあこの問題はしばらく放っておいていいか」ということになる。最終的かつ不可逆的な解決にはほど遠いのだけれども、とりあえずは問題をめぐる争いはクールダウンする。当事者たちは別のことに知的リソースを注ぐことができる。そして、時間が経つにつれて、解決不能と思われていた問題が、別の条件の変化によって、どうでもよいものになってしまったりするんです。ほんとうに。

出典:「死と身体」韓国語版のための序文 - 内田樹の研究室

今日の箴言:説得されない理由

人間は、説得されると損をするとき、絶対に説得されない。

説得に必要なのは、正論ではなく、利害調整である。
相手とwin-winになるように利害調整をすることによって、
はじめて説得が可能になる。
相手がwin-loseを受け入れるべき理屈を並べ立てれば相手を説得できると考えるのは、お花畑としか言いようがない。

何がフェアかは、論理ではなく、利害と感情で決まる

参照

note.mu

今日の箴言:内面と表層


元ネタ

人格は部屋に現れる。
性格は持ち物に現れる。
野心は金遣いに現れる。
器は会話に現れる。
欲求は視線に現れる。
本性は要求に現れる。
愛情は成長に現れる。
不安は怒りに現れる。
弱さは期待に現れる。
無知は傲慢さに現れる。
気品は言葉に現れる。
自信は優しさに現れる。

トニカクカワイイも大ヒットさせた畑健二郎先生♪

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畑健二郎先生の連載二作目「トニカクカワイイ」が大ヒット作への道を驀進しています。「ハヤテのごとく!」後半の疲れた作風から、このままオワコン漫画家になりそうだという大方の予感を吹き飛ばす大成功です。4巻はAmazonコミックランキングで現在一位です。連載第一回時点で「ヒット作になりそうだ」という予測が当たって個人的にとても嬉しいです。
lex.hateblo.jp

この作品の美点は上記のエントリでも書いたように、作品の構造を単純化して、物語とキャラクターが齟齬をおこすという畑健二郎最大の欠点を封じてしまったことにあります。結果、キャラを魅力的に描けるという美質を前面に打ち出すことができたのが成功の理由だと推察します。

4巻に至ってもキャラを乱造しないで、最小限のキャラで世界観を構築しているのが特によいです。不惑をすぎて結婚された私生活の充実も作品の幸せな雰囲気に強く影響を及ぼしているでしょう。駄作でも強引にアニメ化してしまう傾向のあるサンデー連載作品ですので、アニメ化も間違いなさそうです。2021年の春アニメと予想しておきましょう。

一ファンとして望むのは大ヒット作になったからといって、作品に新たな野望を注がないで欲しいということです。変な要素を加えると作品の美質が確実に落ちますので、そこだけが一抹の不安です。

かぐや様は告らせたい アニメ1話

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とにかく原作が好きなので放映を楽しみにしていました。アニメ化としては120点ではないでしょうか。愛情を込めてアニメ化しているのがハッキリと感じられます。作画も素晴らしく、かぐや様の美しさは原作以上です。CVも全員はまり役ですね、知名度ではなくキャラクターに最もふさわしい人選なのでしょう。主人公二人だけでなく、藤原書記も原作のイメージ通りだったところもよかった♪

集英社が全力推ししている作品なので2クールか分割2クールは間違いなさそうです。半年ぶりに毎週楽しみにできそうなアニメが二本もあってうれしい。これで冬を乗り切ろう♪

ケムリクサ 1話 感想

けものフレンズたつき監督の新作の放映が始まりました。原作が好きな作品以外は評価が定まった作品をまとめてみるスタイルの私ですが、天才たつき監督の新作ならリアルタイムで観ないわけにはいきません。

8年前に既に物語ができていたそうなので、設定の大枠がけものフレンズに似ているというより、この作品の枠組みをけものフレンズに使ったというほうが適切なのでしょう。全体的な印象は「ディストピア感のあるけものフレンズ」というのが第一印象です。

ちゃんとスパイス的に萌え要素を付加しているところも好感度が高いです。
この作品を通してたつき監督の名声が更に上がることを熱く期待しています。

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中毒性のあるYouTuber 吉田製作所

YouTubeプレミアムに加入したのでYouTubeを見る時間が激増しました。目障りな広告が消えるだけで驚くほど快適になります。お気に入りのYouTuberを開拓しようと色々見た結果、一番見る時間が多いのがこの吉田製作所です。

youtu.be

吉田さんの垢抜けなさと、画面から滲み出る孤男臭や対人コンプレックスが親しみを感じさせます。一方、野暮ったい声質ながらユーモア満点で如何にも頭の良さを感じさせる話術には天賦の才能を感じます。概してYouTuberは豪華かつ清潔でセンスのよいライフスタイルを信条としている人が多いのですが、吉田さんは映り込む埃やジャンクフードの残骸が唯一無比的な味わいを醸し出しています。顔出しはしていませんが、画面から垣間見られる手足や衣類から「ファッションに無頓着な非モテ系」なのは間違いありません。10万前後のチャンネル登録で年収は1千万円前後だそうです。こういう友だちがいたら楽しいだろうなぁ~

あつまれ! ふしぎ研究部

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一発当てた漫画家というのは次作でコケやすい。自信過剰になって設定をこりすぎたり、違う読者層を得ようと試みたりするからだ。その点、イカ娘でメジャーになった安部真弘のこの作品は、謙虚に自分のマンガの面白さを考えたうえで創られた、手堅いけれど着実に一歩前に進んだ作品だ。

設定がシンプルでキャラが個性的で魅力的。そんな感じで嫌われる要素が見当たらない。アホで可愛い美少女たちが活き活きと描かれている。抜けて絵が上手いわけではないけれども、微細な表情の描き分けに才気を感じる。

この手の作品は設定・キャラを一通り使い終わると失速しがちだが、いいタイミングで新入部員を入れたりと細部も抜かりがない。頭を空っぽにして読むにはちょうどよい。良質の娯楽作品です。

10年連続で買っているカレンダー

このカレンダーは既に身体化している。いつも買っている三宮のジュンク堂で売っていなかったので、今年はAmazon買った。100円ショップでも立派なカレンダーが買える昨今だが、このカレンダーは身銭を切って買わないと新年を迎えられない。特に特徴も機能もないのだけれども、デザインが高度に完結している。命が尽きるか製造元が潰れるまでは買い続けるだろう。