海外Yパパラジオの推定制作フロー
世界中のニュース・論文・SNS・レポート
↓
① ネタ収集AI
↓
② リサーチAI
↓
③ Yパパ視点で論点整理
↓
④ 台本生成AI
↓
┌────────┴────────┐
↓ ↓
⑤ クローン音声 ⑥ 猫イラスト生成
↓ ↓
└────────┬────────┘
↓
⑦ 自動動画編集
↓
⑧ タイトル・サムネ生成
↓
YouTube投稿
↓
⑨ 成績をAI分析
↓
次回制作へフィードバック
おそらくポイントは、この9工程を毎回ゼロから指示していないことです。
① まずAIが「動画候補」を集める
ここは相当自動化されていると思います。
Yパパ氏の動画を見ると、
- AI
- 国際情勢
- 中国
- 日本経済
- 金融
- 富裕層
- 税制
- テクノロジー
- 論文
- 海外ニュース
など範囲がかなり広い。
人間が毎朝ニュースサイトを巡回して「今日は何を話そうかな」と考えているより、
「このチャンネルに向いているニュースを20件集め、重要度・意外性・日本人への関連度・動画化しやすさを採点せよ」
というエージェントを走らせている可能性があります。
本人は「グラウンディング」をテーマにした動画も出しており、ブラウザ操作をClaudeにさせる実務シリーズまで公開しています。(ビットスターデータベース)
したがって、
RSS → Web検索 → 論文 → 海外記事 → AIによる候補ランキング
くらいまでは十分あり得ます。
② AIが資料を集め、「調査パック」を作る
ここで普通のChatGPT利用者との差が出ます。
いきなり、
「○○についてYouTube台本を書いて」
とは、おそらくやっていません。
まず別のAIに、
research.md ・何が起きたか ・一次情報 ・数字 ・時系列 ・背景 ・反対意見 ・専門家の見解 ・日本との関係 ・誤解されやすいポイント ・動画に使えそうな面白い事実
を作らせる。
つまり、
リサーチAI ≠ 台本AI
にしているはずです。
これは本人が語っている「小さく分けて組み合わせる」という発想と非常によく一致します。(note(ノート))
③ 一番重要な「Yパパらしい切り口」を決める
ここは完全自動ではなく、本人がかなり関与しているのではないかと思います。
このチャンネルが面白いのは単なるニュース要約ではありません。
「普通はこう思うけど、実はこうなんじゃない?」
という一段ひねった論点があります。
ここを全部LLM任せにすると、かなり平板な「AI解説チャンネル」になってしまいます。
おそらくAIの中には、こんなファイルがある。
ypapa_profile.md ypapa_opinions.md investment_philosophy.md china_view.md japan_view.md ai_philosophy.md past_videos.md writing_style.md
本人自身、AIに自分の過去の判断や仕事を外部ファイルとして覚えさせ、「自分の分身」にしていると説明しています。(note(ノート))
つまり、
今回のニュースを、過去のYパパの考え方と照合して5つの切り口を提案して
とやる。
そして人間が、
「今回は3番で行こう」
と選ぶ。
おそらくここが制作における人間の最大の仕事です。
④ 台本は「Yパパ台本テンプレート」に流し込む
ここはほぼAIでしょう。
例えば内部では、
1. 冒頭の疑問・違和感 2. 今日のテーマ 3. 結論を少しだけ見せる 4. 背景説明 5. ポイント① 6. 具体例 7. ポイント② 8. 普通の見方への反論 9. Yパパ独自の解釈 10. まとめ
のような「型」がある。
本人がまさに、
「毎回プロンプトを書くな。型を作って保存しろ」
という趣旨の解説をしています。(note(ノート))
したがって台本生成も、
Yパパ風に書いて
程度ではなく、
過去の良作をFew-shot(見本)として保存した専用スクリプト生成エージェント
だと思います。
しかも一発生成ではなく、
構成AI ↓ 台本AI ↓ 事実確認AI ↓ 反論AI ↓ 文章整理AI ↓ Yパパ口調変換AI
くらい分業していても不思議ではありません。
⑤ 本人のクローン音声で一気にナレーション化
ここは、ご指摘の通りかなりそれらしく聞こえます。
ただし、音声クローンを使っていることやサービス名について、今回検索した範囲では本人による明確な公開情報を確認できませんでした。
技術的には、
- ElevenLabs
- Fish Audio
- Cartesia系
- 独自TTS
- その他の音声クローン
のどれでも実現できます。
もしクローン音声なら制作効率は劇的に変わります。
15分動画でも本人は15分しゃべる必要がありません。
script.txt
↓
音声生成
↓
narration.wav
数分です。
さらに台本側に、
(笑) (少し間) (強調) (ゆっくり)
などを入れておけば、かなり本人らしくできます。
⑥ 猫イラストも「毎回考えて生成」していないはず
ここも重要です。
あの猫は単なる飾りではなく、チャンネルのアバター=ブランドキャラクターになっています。
したがって、
cat_style.md ・猫の体型 ・顔 ・表情 ・線の太さ ・色 ・背景 ・ユーモアの程度 ・禁止事項 ・基本構図
のようなスタイル定義が存在する可能性が高い。
そして台本をAIに読ませ、
「この動画で猫イラストを入れるべき箇所を8カ所選び、それぞれ画像生成プロンプトを書け」
とすればいい。
すると、
「銀行がお金を作る」 →札束を製造して驚いている猫
「中国経済が苦境」 →大量の商品を抱えて困っている猫
「AIが暴走」 →パソコンに追い回される猫
のような画像が自動で作れます。
ここは生成AIとの相性が非常に良い部分です。
毎回完璧に同じ猫でなくても、「ちょっと違う猫」が逆に味になります。
⑦ 最大のポイント――動画編集まで半自動化
私はここが一番面白いところだと思います。
おそらくPremiereで毎回、
「ここに画像を置いて……テロップを付けて……」
とはやっていません。
台本の段階で、
00:00 intro.mp4 00:14 cat_01.png 00:48 source_01.png 01:32 chart_01.png 02:10 cat_02.png
のような編集指示データまでAIに作らせている可能性があります。
さらに、
script.json images/ voice.wav sources/
を動画生成プログラムに渡す。
候補としては、
FFmpeg / Remotion / 独自Python・Nodeスクリプト
などです。
あるいはCapCutやPremiereのテンプレートを使った半自動編集かもしれません。
どちらにしても、
ナレーションを基準にして、画像を順番に並べ、ズーム・パン・字幕・BGMを自動配置する
という構造でしょう。
あのチャンネルが「ラジオ」形式なのも、この方式に非常に向いています。
映像が主役ではありません。
音声が主役で、映像は理解と飽き防止の補助。
だから高度なカット編集が不要なんです。
⑧ タイトル・サムネ・概要欄もAI
ここはほぼ確実に自動化可能です。
完成した台本から、
CTR重視のタイトル20案 煽りすぎない案5個 Yパパ風5個
を出す。
サムネも、
強い単語:5文字以内 猫の表情 背景 構図
をAIに考えさせる。
概要欄についても実際、動画にはテーマを3点程度に整理したかなり整った説明文が付いている例があります。例えば「AIの回答が日本文化に偏る」という動画では、元論文を明記し、動画で扱う3つの論点が整理されています。(ユーチュラ)
これもAI生成との相性が非常に良い形式です。
⑨ 投稿後のYouTube AnalyticsまでAIに食わせる
ここまでやっている可能性も十分あります。
毎週、
動画 CTR 平均視聴時間 離脱位置 登録者増 コメント数 テーマ タイトル 公開時間
をAIに渡す。
すると、
「中国+日本」テーマはCTRが高い 「AI技術解説」は再生は少ないが登録率が高い 12分を超えると6分地点で離脱が増える 「なぜ○○なのか」型タイトルが強い
などを分析できます。
その結果を
youtube_strategy.md
に追記する。
次の動画を作るAIはそのファイルを読む。
つまり、
動画を出せば出すほど制作AIそのものがチャンネルに最適化されていく。
これが「仕組み化」の完成形です。
私が想像する実際のフォルダ構造
かなり極端に単純化すると、こんな感じではないでしょうか。
Ypapa_Channel/
├── knowledge/
│ ├── profile.md
│ ├── opinions.md
│ ├── past_videos.md
│ └── source_rules.md
│
├── templates/
│ ├── research.md
│ ├── script.md
│ ├── title.md
│ ├── thumbnail.md
│ └── cat_style.md
│
├── current_video/
│ ├── sources/
│ ├── research.md
│ ├── angle.md
│ ├── script.md
│ ├── narration.wav
│ ├── images/
│ ├── timeline.json
│ └── final.mp4
│
└── analytics/
└── performance.md
そして人間は、
「このテーマ面白い。動画にしよう」
と指示するだけ。
AIエージェントが順番に仕事をします。
人間とAIの仕事の割合は、おそらくこう
| 工程 | 人間 | AI |
|---|---|---|
| 情報収集 | 10% | 90% |
| テーマ候補 | 20% | 80% |
| 最終テーマ決定 | 80% | 20% |
| 独自の論点 | 60% | 40% |
| リサーチ | 20% | 80% |
| 台本 | 10~30% | 70~90% |
| ナレーション | ほぼ0~10% | 90~100% |
| 猫画像 | 5% | 95% |
| 編集 | 10~20% | 80~90% |
| タイトル | 30% | 70% |
| 最終チェック | 100% | ― |
つまり私の推測では、コンテンツの価値判断だけ本人、人間でなくてもよい作業は徹底的にAIです。
ここが重要です。
このチャンネルの本当の凄さ
「AIで動画を作っている」こと自体ではないと思います。
現在なら、
AI台本 +AI音声 +AI画像
くらいなら誰でもできます。
それだけだと大量に存在する薄いAI動画になります。
Yパパ氏が一段違うのは、おそらく
自分の知識・価値観・過去の判断・文章の型・画像の型・制作工程そのものを、AIが読める形で保存している
ことです。
本人が公開しているAI活用法とも完全に整合します。「自分を覚えさせる→外部情報につなぐ→役割を分けて任せる→寝ている間にも回す」という4段階です。(note(ノート))
なので「AI YouTuber」というより、
Yパパという編集長がいて、下にリサーチャー・ライター・ナレーター・イラストレーター・動画編集者・SEO担当というAI社員がいる
と考えた方が実態に近いのではないでしょうか。
そして投稿数を見ると、この推測にはかなり説得力があります。7月には週10~13本ペース、日によって2~3本投稿しており、人間一人が従来型編集で回しているチャンネルとは明らかに制作構造が違います。(ソーシャルカウント)
そして、ここはかなり重要だと思います
この仕組み、Kazuomiさんの動画制作にもかなり応用できます。
特に「Far East Beatles Tribute Channel」なら、Yパパ型の仕組みにすると、
ライブ映像を入れる → AIが曲名・演奏者・会場情報を整理 → 英語圏向け紹介文生成 → チャプター生成 → サムネ文字案 → YouTube概要欄 → X告知文
まで一連のパイプラインにできます。
しかもYパパ方式の核心である「毎回プロンプトを考えない」を採用すると、動画1本ごとのAIとのやり取りそのものを大幅に減らせます。
これは以前話していた「プロンプトではなく型を作る」の、まさに完成形に近い例だと思います。