架空の杜

The journey is the reward.

あつまれ! ふしぎ研究部

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一発当てた漫画家というのは次作でコケやすい。自信過剰になって設定をこりすぎたり、違う読者層を得ようと試みたりするからだ。その点、イカ娘でメジャーになった安部真弘のこの作品は、謙虚に自分のマンガの面白さを考えたうえで創られた、手堅いけれど着実に一歩前に進んだ作品だ。

設定がシンプルでキャラが個性的で魅力的。そんな感じで嫌われる要素が見当たらない。アホで可愛い美少女たちが活き活きと描かれている。抜けて絵が上手いわけではないけれども、微細な表情の描き分けに才気を感じる。

この手の作品は設定・キャラを一通り使い終わると失速しがちだが、いいタイミングで新入部員を入れたりと細部も抜かりがない。頭を空っぽにして読むにはちょうどよい。良質の娯楽作品です。