架空の杜

The journey is the reward.

アルファブロガーが本来言うべきことについて

教育基本条例再論(しつこいけど) - 内田樹の研究室
内田樹先生らしいエントリです。哲学者らしくネット世論の空気とは逆のベクトルの視点を与えてくれることに敬服します。にもかかわらず内田樹をやたら目の敵にしている池田信夫先生のエントリにも「説得力があるなぁ」と思ってしまう私は完全に引き裂かれた状態です。そして内田樹が嫌う橋下イズムにどうしても好意的な視線を持ってしまうのも他ならぬ私です。
私なりに考察すると「池田信夫橋下徹・小泉・竹中路線」は「弱者のルサンチマンを慰撫する」ことによって多くの人々の溜飲を下げるタイプの煽動者的側面が共通項としてあると思います。池田先生の説得力の源泉は言説のロジカル性にあるように思わせて、実は「既得権益者」をなで切りすることで読み手にある種の痛快感を与えるところにあるようです。そして、場末で細々と糊口を凌いでいる身からすると、公務員という既得権益者に敵意を露わにする橋下徹氏にはどうしても拍手喝采したくなります。
内田樹先生の説得力の源泉がそこでないというところが、それだけで凄いです。でもその凄さが「溜飲を下げさせる言説をもう一度ひっくり返す哲学者の底力」にあるのか、もっと本質的なところで納得させられているのか・・・ 私には難しすぎる命題であるような気もします。

ロスト・ジェネレーション」論という驚くほどチープな社会理論を掲げて、2007年朝日新聞は全社的規模のキャンペーンを長期展開し、小泉=竹中の構造改革規制緩和に続いて、社会全体のグローバリズム的再編を強いモラルサポートを与えた。

すくなくともロストゼネレーション論を「驚くほどチープな社会理論」と言い切ることができるアルファブロガーは内田先生だけでしょう。私などロストゼネレーション論に深く賛同していたので己の知的怠慢を恥じるばかりです。社会の空気・ネットの空気に同調しない哲学者の言葉は貴重です。
でも僕が大阪市民なら橋下氏に投票するだろうなぁ・・・