架空の杜

The journey is the reward.

ホログラフィー 牧野由依

ホログラフィー

ホログラフィー

エピックに移籍しての3年ぶり3枚目のアルバム。1stの「天球の音楽」は奇跡的な名盤だった。1枚目と比べるのは気の毒だけど2枚目よりは遙かに出来がよいと思う。牧野由依の美質は声量がありながら囁くようなウィスパーボイスだ。この美質と比べたら東京音大卒で作詞作曲ができてピアノも上手くてそして声優というのも属性に過ぎない。作詞作曲もピアノ演奏も素人臭さは皆無でプロフェッショナルではあるけれども、別にその才能に嘆息するほどのものではない。あわせて一本という感じで総合力にて勝負している牧野由依だが、コアコンピタンスはあくまでも甘い声質。1stアルバムの時はそれに「無垢さ/ピュアネス」があったのだけれども,それは残念ながら減じてる。経験の積み重ねがストレートに魅力の増加に繋がらないもどかしさって女性アーティストの宿痾の様なものだけれども、牧野由依には特にそれを強く感じる。