架空の杜

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エクスメディア倒産

IT書籍のエクスメディア倒産——負債は11億 | RBB TODAY
前世紀ですけど1年10ヶ月ほどここの社員をやっていました。本職絡みのブログに書きたいところですが、開業したばかりなのに倒産ネタを書くのは縁起が悪い気がしたのでこっちで書きます。私は会社として一番勢いのあった時期に印刷会社と製紙会社との折衝を一人でやっておりました。勢いのあるときの会社というのはステークホルダーに強い交渉力を持てるものでして、大手の印刷会社の担当者を呼びつけて散々見積競争をさせて、相手を怒らせるぐらいまで値引きをさせたりしました。私も若かったですね。それで億単位で入ってくるお金が増えたのですから私も酷いことをしたものです。

新世紀初頭に一度破産寸前までいった

社長の性格があまりにもあまりでうつ病を患って逃げるように退職したのですが、その後もしばらくは快進撃が続きました。が、調子に乗って雑誌への進出に乗り出して大失敗して一気に資金繰りが悪化した過去があります。あのとき潰れていた方が、その後この会社に関わって心労をためた多くの人たちのことを考えるとよかったような気がしますが、そのときは何とか乗り切ったようです。印刷会社が大手から中堅以下に変わったのを奥付を見て知り大変さを垣間見たような気がしました。

倒産の理由を憶測すると

大きな理由の一つはVistaという新OSが出ても特需にならなかったことでしょう。目算を間違ってたくさん刷りすぎたとかそういう理由も大いにありそう、Officeのバージョンアップの度の特需も見込めなくなって、特にOffice2007は評判も悪いですし、実際売れていないようです。でも一番の理由は紙媒体でPCを学ぼうと考える人が減ったからでしょう。あと競合他社との争いにも疲れ果てたのではないかな。私は相変わらずアドビ系のソフトの解説書は買っていますが、エクスメディアの書籍は目に入らないというかCS3関連の書籍は出す体力すら残っていなかったようです。

でも一番の理由は

社長だったK氏の性格が悪すぎたからでしょう。

自己破産に至る前に、海外文学や翻訳出版の老舗である三笠書房を引き受け先とする同社の再建計画があったが、エクスメディア経営陣の処遇などの条件面で折り合いがつかず合意に至らなかったという未確認情報もあるが、詳細が判明した時点でお伝えする。

私が在籍した当時は社員の平均在籍月数が3ヶ月ぐらいでした。少しは改心したのかと思っていましたが、この期に及んで助け船を出してくれた会社に駄々をこねるあの巨漢K氏の姿を想像してしまって寒々としました。なむなむ