架空の杜

The journey is the reward.

Ram

Ram

ポールマニアからは絶大な支持を得る名盤。だが私はあまり聴かない、理由は明白で「リンダ・マッカートニーの声が耳障り」だからだ。リンダの声を気にしなければポールのソロ作品の中では一番彼の天才性がよく表れているアルバムだと思っている。ジョンとジョージが順風満帆のソロデビューを果たしただけに、お遊びで作ったファーストと違いこのアルバムは贅沢にオーケストラを使い、プロらしい堂々とした作品に仕上がっている。しかし、発売当時この作品は酷評され、プライドの高いポールは引きこもってしまった。自信過剰な作風の曲に、素人くさいリンダの声が塗されているのだから過剰な期待を受けて発売されたアルバムとしては失望が大きかったのだろう。しかしこのアルバム後は全てビートルズの幻影を追った作品ばかり作ることになるので、ポールマッカートニーの最終到達点はココなのかもしれない。少々分裂症気味・躁気味の作品であるが大作5.Uncle Albert/Admiral Halsey、12.The Back Seat Of My Car等、天才の面目躍如の作品もしっかり収録されている。