架空の杜

The journey is the reward.

岡田斗司夫

 日本人はいまや「個体維持」という生物本能よりも、「関係維持」という社会生物本能を選んでしまった。個体としての生き残りよりも、群体としての内部座標や状態がもっともっと大事な世界。
 となると、だ。この変化は思ったよりデカいよ。アルビン・トフラーの言う「引き返せない楔」級の社会変化かもしれない。
 だって自由市場や民主主義の大前提は「個人が自分の得のために動く」なんだよ。個体がそれぞれの「最大利得を求めて個別に動く→その結果、社会は”神の見えざる手”によって動的安定を保つ」が前提なんだ。
 でも、その前提が成立しなくなっちゃう。
 2013年という年は、ついに世界に先駆けて日本で「自由市場」「民主主義」が成立しなくなった年、と歴史に残るかも知れない。