架空の杜

The journey is the reward.

不幸とは喪失した可能性の総和である

昨夜の朝まで生テレビで最後に記されたアンケートの結果が興味深かった。自分を不幸と定義する人の割合が30代で圧倒的に大きかったことである。

40代と20代が似ているのが特に興味深い。

世代論的に見ると40代はバブル期に社会に出た世代、20代は物心ついたときから景気の悪かった世代である。

30代は物心ついたときは世界は非常に景気がよく、いざ職に就こうとしたら、就職氷河期の波をまともに喰らった世代である。

要するに30代は「不景気のせいで不利益を被った」と実感している世代である。

40代であれば、多少自分が不利益な状態に置かれていても、それは「自分の立ち振る舞いや行動に問題があった」と自己に責任を感じても、外部のせいで自分が特に不利益を被ったという考えにはなりにくい。

20代はそもそも、そういう世界が当たり前だと考えているので、自己を不幸とは定義しにくい、同世代は皆同じ条件で生きているから。

30代は(1970年代生まれ)、一番「こうなるはずだった自分」と 、「現実の自分」の格差が大きな世代である。 「もう少し早く生まれていれば、正社員になれたのに・・・」という怨嗟が積もっているともいえる。

不幸の定義はいろいろあると思うけど、「可能性を外部環境によって摘み取られた」という被害者意識が、不幸意識の定義としては妥当かなと、僕は思う。

僕が敬意を持っている30代の人でも、不景気へのルサンチマンは相対的に高い。逆に同世代より上の人や20代の人は達観している人の比率が高いかな・・・

30代の人をコアに「ロストジェネレーション」と名付けたのは、本当に言い得て妙だと改めて思う。