架空の杜

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人気漫画家から強引に世代論

『ハヤテのごとく!』『魔法先生ネギま!』『よつばと!』を比較する - tanabeebanatの日記
筆者とネギま!赤松健先生とよつばと!あずまきよひこ先生は年齢が同じです(1968年生まれ)、とくに赤松先生は誕生日が二日しか違わないので、親近感があります。ちなみに畑先生の師匠の久米田康治センセは1967年生まれで、やはり同世代です。

世代論はやったことがないけれども

二年遅れぐらいから始まる不況世代と違って学生時代迄バブルで景気がよかった最終世代。社会に対する視線が斜に構えていない最後の世代かもしれない。だから基本的に性善説な世界観なんですね。まだ大人を信頼できた世代。社会はちゃんと動いていて、盆正月に帰省したら優しい祖父母が待ってくれていた世代です。世界はクッキリと輪郭を持っており、社会は基本的に大きな包み込んでくれるものだった。赤松健についていえばネギま!より前作のラブひなに漂っていた雰囲気とよつばと!に漂っている雰囲気にとても近い何かを感じます。久米田康治先生だって斜に構えるという芸風を商売としているだけで、基本的に社会を輪郭のあるものとして肯定的にとらえようとする視線は似ています(強引)

畑健二郎

畑先生は大変な世代の生まれだろうけど、家庭環境と大阪芸大中退という経歴を考えると、まだ社会に対して肯定的なんですね。でも微妙な世代の差は感じます。ハヤテの連載が始まったばかりの2chのスレッドを読むとわかるけど「とても親切な人たち」が可愛げなく描かれていることに意外なほどの反発があったりしました。「社会は信頼に値しないかもしれない」「でも誰かとの絆は信頼に値してほしい」という諦観のようなものを感じます。

世界の揺らぎと不況の影

他にも冨樫義博とか井上雄彦とか小畑健とか大物漫画家の下限は1969年生まれぐらいのような気がする。基本的に優れた漫画と堅牢な世界観は切り離せない。畑健二郎の描く世界観は緻密だけど、一方でさびしい空疎さが微かに感じられる。畑先生より若い世代に筆者を感激させるような漫画家が出るのかどうか、一抹の不安はある。漫画・アニメカルチャーは昨年ぐらいが最後の華で、後は衰えていくだけのような予感もしますが・・・。
魔法先生ネギま!(21) (講談社コミックス)よつばと! 7 (電撃コミックス)さよなら絶望先生(11) (講談社コミックス)ハヤテのごとく! 14 (少年サンデーコミックス)