架空の杜

The journey is the reward.

日本のブランド価値と天皇

ここ数日、ネット上でいわゆるネット右翼が張り切っています。米軍基地問題では相対的に静かだったのに、天皇陛下の政治利用疑惑問題では,至る所で鼻息が粗いです。僕はネット右翼とはベクトルが真逆なんですが、やはり結果として政治利用に日本国の象徴が使われたのは不敬とかそういうレベルではなく「勿体ない」と思います。天皇は、幾多の曲折を経て現代にいたる日本国の歴史を体現する絶大なるブランドです。歴史の浅い国、その国の歴史を貫く何かを欠いている国からすれば、天皇の存在そのものが畏敬の対象となり得る得難いシンボルとなのです。国家を体現するブランドが「存在する」国なんて皆無に近く、容易に構築する事が困難な故に限りなく貴いのです。今回の政府の行為は日本という国だけがもつ希有なブランドへの侮蔑です。中長期的に見れば、最高の政治カードを二束三文で売り飛ばしたことになり、金額では換算できないほど大きな損失を発生させたことを残念に思います。