架空の杜

The journey is the reward.

非コミュは「優しいのではなく弱い」だけ

http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20081227/1230367146
自分の意見を先輩に語らせるやり方は如何なものだとは思うけど,内容には感銘を受けた。非コミュの病巣は「自分が些細なことに傷つきやすいのと同様に、他人もきっとそうであるはずだ」という思い込みにあると思う。でもそれは優しさではなくて「自分と同様に傷つきやすい他人を傷つけたら、恨み・妬み・蔑み・嫉みが生じて私に返ってくるはずだ、だったらコミュニケーションから逃げた方がいい」という、結局、「自分が傷つきたくない」という弱さなのである。非コミュは「優しいのではなく弱い」のだ。有名なラ・ロシュフコー箴言にこういうのがある。

真の善良さにも増して稀なものはない
善良だと自分で思っている人さえ
ふつう、愛想のよさか弱さしか持っていないのである

「自分は自分が弱いことを自覚している、だから私には他人の弱さを、他の人間より知っているはずだ、だから自分の非コミュは恥じるべきではない」こういう思い上がりから生じる自己正当化を「卑怯」というのだ。弱い立場の人間がある種の明察を持っているという考えは、ニーチェが喝破したように人間という病の最たるものである。自分の弱さを認め、他者を理解することの困難さを事実として受け入れ、それでも自分の殻に逃げ込まないことが真の優しさである。