架空の杜

The journey is the reward.

SONY Music Unlimitedが失敗するであろうたった一つの理由

https://music.sonyentertainmentnetwork.com/
SONYクラウド音楽配信サービスを日本でも開始した。類似サービスは以前から欧米でやっていたのだが日本での開始が遅れたのは権利関係でJASRAC等との調整に手間取ったからだろう。無料お試し期間があるとのことなので早速利用してみたのだが、ブラウザ上の起動が遅かったり検索機能が貧困だったりいきなり不満を感じた。それは慣れる慣れないという問題以前のような感じがした。NAXOSの同様のサービスの方がはるかに検索機能は優れている。まぁこの辺りは改善していけば良いのだけれども。

この音質で月1480円は高すぎる。

HE-AAC 48kbpsという圧縮技術が使われているが、これはradiko等で使われているストリーミングに最適化された音楽鑑賞には明らかに向かない方法である。1千万曲を用意したといっても品質が低く抑えられていれば「安かろう悪かろう」になってしまう。原盤の音質が良くてもここまで強く圧縮されたらHi-Fiとはとても言えない。本来は感動的な音源も音質の悪さで見過ごされてしまう可能性すらある。

SONYにAV機器メーカーとしての矜持はあるのか?

SONYといえばCDを開発しSACDも手がけた音楽フォーマットの開拓者である。SONYならなおさらストリーミングサービスの開始にあたって高音質音源を提供する義務があったはずだ。それを開発の労を惜しみ安易なコーデックを採用したことに今のSONYの病根が見事に表されているように見える。世の中には無料で遥かに高音質の音楽を提供しているネットラジオが沢山ある。わざわざ月々1480円を払ってこれを聴くのは余程の好事家だけだろう。
Sony Japan | ニュースリリース | 1,000万曲超の楽曲聴き放題 定額制音楽配信「Music Unlimited」日本でサービス開始