架空の杜

The journey is the reward.

Help! (British)

Help! (British)

5枚目のアルバム。映画“HELP!"のサウンドトラックでもある。初期と中期の過渡的なアルバムでありジョンがアイドルとして、もう一踏ん張りしているのと、ポールがやっと本気で創作に取り組み始めたことが印象的な一枚である。ポイントは、なんといっても13.Yesterdayだろう。一枚ずつ初期から時系列でアルバムを追っていくとYesterdayは突然変異的な一曲であることに改めて気づく。当時のステージを観るとジョンもジョージもポールが良い曲を作ったことを素直に喜んでいることが分かる。この曲はポールに自信と自負を与えビートルズマジックがさらに続くことを暗示した上でも重要な曲である。なぜかコアなファンには無視されがちな曲ではあるが、この曲あってのラバーソウルだと思うし、やはりこの曲は特別なのである。

サウンドトラックということもあり3枚目同様、自主ルールの例外としてシングル曲が2曲収められている。カバー曲も2曲収録されているがカバーはこのアルバムが最後となる。ジョージも2曲提供しているが、この時点ではまだ稚拙な曲作りである。パーカッションの多用とギター以外の楽器を効果的に使うなどサウンドの転換期であることが分かる。ジョージの曲以外にも印象の薄い曲が数曲あるが、こういった脱力ぶりもこのアルバムで最後である。

  1. Help!
  2. The Night Before
  3. You've Got To Hide Your Love Away
  4. I Need You
  5. Another Girl
  6. You're Going To Lose That Girl
  7. Ticket To Ride
  8. Act Naturally
  9. It's Only Love
  10. You Like Me Too Much
  11. Tell Me What You See
  12. I've Just Seen A Face
  13. Yesterday
  14. Dizzy Miss Lizzie