架空の杜

The journey is the reward.

唐沢言

凄いカンチガイをしているようだが、民主主義というのは、過半数の国民が
ヒトラーがいいと選んだらヒトラーを国民の代表にいただかなければいけないシ
ステムなのだ。そういう意味では非常に危ない政治形態なのである。しかし、現
在までのところ、津々浦々の国民全て、弱者含めた再大多数の国民の声全てを上
にまですくいあげるシステムで、民主主義以上のものをわれわれは持っていない。
これを採用するからには、徹底して民主主義に準ずる、つまり、それが民主主義
の定めるルールに乗っ取ったものである限り(民主主義というものの定義にはど
こを探しても“弱者の救済を第一義とする”“イメージ選挙を行ってはいけない”
などとは記されていない)、国民の多数が選んだ道に何があっても従っていく、
という覚悟が必要だ。それを否定して、自分たちの都合のいい結果のときしか民
主主義を守らない、守りたくないという態度をとることこそ、民主主義を成立さ
せなくする行為なのである。先般のワールドカップでは、自分たちの負けを認め
たがらない北朝鮮チームが試合終了後審判団に詰め寄り、観客席から椅子やビー
ルなどが審判席に投げ込まれるという騒ぎが起き、結果としてあの国が国際的ル
ールを守れない野蛮国であることを世界に知らしめることになった。小泉がキラ
イな特定の人々が反小泉の論陣を張ることは自由だし、彼のいわゆる改革に反対
することは自由だ。しかし、規定の手続きによって行われた選挙で、自分の希望
と反対の結果になったからといって、選挙そのものを認めないとダダをこねるの
は、民主主義も選挙制度というものも何もわかっていない北朝鮮と同じではないか。
そこらへん、ゲンダイも、ネットで今回の結果をふまえ愚民たちを罵りまくって
いる自称インテリたちも、民主主義道不覚悟な連中ばかりなのだ。