架空の杜

The journey is the reward.

Archives - 内田樹の研究室

現代における「弱者」たちはほぼ例外なく集団に属していない。
その結果として、同一集団の仲間たちから受益機会を提供されるという経験をしたことがない。
家庭は果てしのない干渉の場であり、学校は愚者による抑圧の場であり、職場は無意味な苦役の場であると教えられてきた若者には「互酬的関係で結ばれた共同体」というのがどのようなものであり、どうすればそこのメンバーに迎えられ、そこでどのようにふるまうべきかについての知識がない。

私のネットの知人は集団に属することによって得られる受益機会のありがたさを知らない人が多い。いつも自分が所属している集団なり組織を呪詛している人が多い、俺がいつも思うのは「で、あんたはピンで馬鹿にしている集団より多くを稼げるのか?」という疑問である。彼ら彼女らのお父さんはちゃんと集団がもたらす受益機会から収入を得て、君たちにご飯を食べさせてくれたのにね・・・