架空の杜

The journey is the reward.

アメリカは左翼国家です。

ついでに、ここは革新、プログレッシブのことについて言っておくと、これは意外と大事なことですが、私がここで最大限強調したいのは、実はアメリカという国は左翼国家だということをぜひ肝に銘じていただきたい。それは当たり前のことでありまして、左翼という言葉がいつできてきたか。日本人は左翼というと、社会主義者のこととか、その流れを組む、今でいうと市民主義者のことを左翼と思っておりますけれども、レフティズムという言葉が出たのは、フランス革命のときであります。厳密にいえば、まだ社会主義が登場していないときに既に左翼という言葉があった。フランスの国民公会の左側に座った人間、つまりジャコバンをはじめとする、非常に狂激、過激、熱狂的に歴史を破壊してでも自由が欲しいといった人たちが左翼と言われた。

つまり左翼の程度というのは、急進的自由主義をはじめとする一種の近代主義、歴史を壊してでも近代の自由・平等・博愛といった種類の理念・理想というものに突撃しようとするのが左翼主義でありますから、大まかに言えば、世界各国の中でそれに最も近い類型を示しているのはアメリカなのだから、アメリカは左翼の一類型であるというふうに言わねばならない。

西部邁の非常に話題になった講演から