架空の杜

The journey is the reward.

虚心坦懐に最終巻を読む

新連載を機にザックリとしか読んでいなかった40巻以降を再読しました。最後の50-52の感想を別にすると40巻〜49巻は、やっぱり評価できるような内容ではありません。特にキャパシティを超えて3作を同時進行していた時期の内容は語るに値しない内容です。

しかし最後のまとめは読み直すと素晴らしかった。

特に最終巻は伏線の回収も物語としてのカタストロフィー表現も、同じ漫画家かと思うぐらい内容が濃かった。どうやら美しく終わるためにアシスタントだけではなく、プロの漫画家の助力まで借りてきたようで、最後の力業こそが畑健二郎という漫画家の真骨頂なのでしょう。

つづく(はず)

日本社会の処方箋

うつ病は日本の「風土病」とも言われていますが、その原因は人間関係によることが多い。買い物や食べ物、着る物など何でも自由に選べる現代社会において、人間関係だけは選ぶことが難しい。会社の嫌な上司は典型でしょう。これは米国も同じで、組織に属さず、人間関係を選択できるフリーエージェント化が急速に進んでいます。「好きな人とだけつき合う」贅沢はできなくても、「嫌いな人とは無理につき合う必要はない」というスタンスでいられれば、人生の幸福度は大きく上がります。

若木民喜はなぜ失速したままなのか

捲土重来を期して慎重に設定等をした「キング・オブ・アイドル」の人気が一向に盛り上がりません。前作も失敗したので、この作品もブレイクしないなら、若木民喜の命運もこれまででしょう。前作の「なのは〜」もそうでしたが、設定や世界観に縛られて、キャラクターの魅力がイマイチなんですよね、神のみでの中川かのん的なオーラを放つキャラがいない。設定と世界観に振り回されて、この手の漫画家に一番必要なキャラクターの魅力が涵養されていない。これは致命的な欠点です。小学館的にはこの程度の作品でもアニメ化してしまうかもしれませんが、たとえそうなったとしても、人気がでないでしょうねぇ。電波教師みたいに・・・

主人公を「男の娘」設定にしたのが一番良くなかったとおもいます。この設定のために読者が主人公に感情移入できない。素直に女の子を主人公にしていたら、相応のヒット作になったと思うだけに、残念です。いま他のキャラを臨時ヒロインに押し上げるテコ入れ中ですが、上手くいくのかな・・・

次週より畑健二郎の新連載が始まる

ある意味、畑健二郎という漫画家の真価が問われる作品です。たまたまいろいろ上手く嵌まってヒット作品を描けただけの漫画家に終わるのか、マンガ史に足跡を遺す1人になるのかは、代表作と呼べる作品が複数あるかどうかに負うところが多い結構多いです。すでに同人誌プロジェクトをアニメ化にまで育てた「それが声優」があるので、その多くは既にクリアしているかもしれませんが、あれは原作が別なので、やはりこの新連載に彼の名声がかかっているのは間違いないでしょう。

私的には、ハヤテを30巻ぐらいまでは熱心に読み、ここに感想をアップし続けたのですから、この作品が成功するかどうかについては関心があります。盟友、若木民喜先生がどうやら「神のみ一発屋」になりそうなので、畑先生には、そうならないように頑張ってほしいものです。