架空の杜

The journey is the reward.

経営とはお金を使うこと

経営とは、社員とともに頑張ることではなく、社員が頑張らなくても売れる仕組みを作ることである。では、そのような仕組みを作り上げるために経営者が本来するべきことは何か。それは、金を使うことである。まじめな社長ほど「できるだけお金を使わずに業績を伸ばす」ことばかりを考えてしまうが、本来、お金を使わずに業績を上げることに意味などない。なぜならば、経営とは買い物と同じだからだ。

経営とは買い物である。経営者はそう考えなくてはならない。売上げは社員が作るもののではなく、金で買い取るものだ。たとえば、10億円の資金で11億円の売上げを買えば1億円の利益が出る。反対に、10億円の資金で9億円の売上げを買えば1億円の赤字だ。10億円で9億円の買い物をするのならバカでもできるが、11億円を買うのは難しい。だから、そこに社長の能力が必要となるのだ。売上げを買うという発想のない経営者は、お金を使っているという感覚が薄い。たとえば、売上が22億円で利益が1000万円の会社があったとしよう。この会社の社長は一年間で21億9000万円を使っていることになる。しかし、ほとんどの経営者にはその感覚がない。「一年間みんなで頑張った結果、売上げは22億円、利益は1000万円残りました。」となってしまう。このような経営者は、使った感覚もないうちになんとなく21億9000万円ものお金を使っているのである。大事なのは、意識してお金を使うことだ。終わってから考えるのではなく、始まる前に21億9000万円の使い道を考えなくてはならない。そうすることによって、普通なら1000万円で終わる利益が3000万円にも5000万円にも増えるのである。