フェルマーの最終定理

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世評に違わず面白い本だった。私のように中学数学でさえ覚束ない人間にも楽しめるところが素直にスゴイ。たとえが適切かどうかは判らないけれども、囲碁を知らなくても「ヒカルの碁」を楽しめるのと似ている気がする。

登場する数学者がみんな魅力的で、皆違う動機でまったく違う環境で研究しながら、最終的に20世紀の後半に定理が証明されるところまでに皆の研究成果が収斂していく過程がドラマチックに書かれている。

一番驚いたのはこの定理の証明のために決定的な役割を提示したのが、両方とも日本人だという事実だ。世界的に現状がどうなのかは知らないが、20世紀後半の日本の数学者のレベルはトップクラスだったことを知って素朴に誇らしく思った。