架空の杜

The journey is the reward.

サーバントxサービス 3巻

1巻と2巻の間が4年半、2巻と3巻の間が半年と極端です。アニメ化決定に合わせて発刊を急がせるのはお約束のようです。駆け足で描いたのか若干粗い印象がないこともありません。それでも面白いです。繰り返し読みたくなる麻薬性があります。2巻で急に面白くなったのは、ばらけた印象のあった各キャラが恋愛感情を中心に細かく繋がりだして、関係性の複雑化に伴うキャラ造形の深化が著しいからです。だめ押しに「三好さんx田中穣二」のカップリングで全キャラの連環が完成しました。ここからが高津カリノ先生の真骨頂のはずなのですが、どうやら4巻で終わってしまう可能性も高そうな巻末の記述が残念です。高津先生自身がこの作品がアニメ化されるとは青天の霹靂みたいな感じらしいので、アニメ化に合わせて予定していた設定を出し惜しみしなかったからでしょう。それにしても1巻で嫌な感じしかなかった長谷部が、これほどまでに愛おしいキャラに変貌を遂げるとは高津先生はつくづく天才です。