架空の杜

The journey is the reward.

コメットさんにも華がある 川原泉

コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス)

コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス)

5年ぶりの新刊。06年から08年に描いたものがまとめられているけど、どうして一冊になるまで時間がかかったのかは関係者以外は知りようがない。5年前の前作で「変質した川原泉」を体験したけれども、この本の内容はそれと連続している。マネキンのような無機質感のある人物の絵とかやはり好きになれない。

また問題になりそうな内容

前作の流れから描いているので必然だとも思うけど、四つの収録作品のうち最初の作品はまた「同性愛差別だ!」と騒がれそうな内容だ。ホモフォビアなのは確かなので仕方がないかも。前作の時は擁護したけど今はどうでもいい感じ。

現在の川原泉

全盛期の短編があまりにも神懸かって上手ゆえに常に過去の自分と比較させられてしまう川原泉は大変だろうなぁと思う。変に「川原教授」とか祭り上げられたので自分の作品は常に知的な匂いを漂わせなければならないと思い込んでいるような感じが濃厚にする。川原泉の美点はそこじゃないと一ファンの私としては思うのだけれども、もうどうしようもないんでしょうね。