架空の杜

The journey is the reward.

まどか☆マギカ 9話 エントロピーの法則に抗う力

あまりにも壮絶にスゴイお話しなので、感想を書き流すこともできなくていたのだが、9話で作品のモチーフが見えてきたので書いてみる。QBの言っていたエントロピーの法則とは圧縮していうと万物は全て拡散して無秩序になっていくという大原則だ。よくエントロピーの法則の反証として、「生命体は形作ろうとする力であり、命を繋げる力を持っている、だからエントロピーの法則は当てはまらない」といわれる。とはいえ、人は老い、種族は必ず絶滅するのだから、大きな時間軸では法則には逆らえない。しかし、限られた時間軸で見る限りにおいて生命体は法則に抗う力を持つ存在であることは間違いない。その抗う力が極限に達するのが女性であり、さらに思春期の少女であるという見立ては、ある意味その通りだろう。聖母的な優しさを持つまどかが、巨大な力を持っているという設定は不自然さが全くない。魔法少女になって汚れて魔女になるときのエネルギーをQBが狙っているという設定は、本当にスゴイ。よくこんな設定を考えつくモノだと、原作者には畏怖さえ感じる。

作品的に目指しているものは

巨大な聖母性を持っているまどかが、魔法処女になったときの力の解放感と絶望して魔女に堕するときの巨大なエネルギーの描写は、創作者としては絶対描くだろう。そこにある種のカタルシスが描かれるのは確実で早くそれを観たい。そしてバッドエンドで終わってしまうのか、何らかの救いを描くことができるのかが終盤に向かってのポイントだろう。ほんと、あっと驚くような終わり方をしたら神アニメを超える存在になる、、それぐらいスゴイ作品です。