架空の杜

The journey is the reward.

病んだ空気のエヴァンゲリオンが好きだった。

この作品で圧倒的に好きなのが、テレビ版の23話と24話、劇場版のリメイク25話と26話ですね。一番の名シーンはLCLの海の中で多数のレイが浮遊しているシーンですね。魂のないレイが、かたちを失って崩れていく様子とあの音がちょっとしたトラウマにさえなりました。

時代背景

1995年の秋から放映されたわけですが、年初には阪神大震災があって3月には地下鉄サリン事件もありました。就職氷河期の第一波が荒れまくっている時期で,世紀末ということも含めて精神的に病んだ空気が瀰漫していた時期です。個人的にも職場でパワーハラスメントに遭って一回目の退職をした時期に該当します。

アニメと狂気


アニメのキャラクターにこういう表情をさせるということ自体が事件でした。エヴァ以降もこういう表情を上手く使ったアニメの傑作は無いです。狂気を帯びた表情に記号以上の意味を持たせることは,とても難しいのでしょう。

シンジの自我も一度崩壊してしまいます。

タナトスが作品のテーマ

タナトスとは心理学用語で「死への欲動」ですが、乱暴に訳すと「私のものにならないのなら、全て消え去れ!」という心のありようです。タナトスの象徴としてのレイに代表される作品の臭いというか雰囲気は、この作品にのみ現れた映像の奇跡だと思います。