架空の杜

The journey is the reward.

Archives - 内田樹の研究室

教育の荒廃の全件に共通するのは、「市場原理」「経済合理性」で教育を論じる風儀である。
教育を「畢竟、金の問題」と言い切るリアリズムがそのすべてに伏流している。
「金で買えないものはない」と豪語するグローバリストと、「弱者にも金を分配しろ」と気色ばむ人権派は、教育にかかわる難問は「金でなんとかなる」と信じている点で、双生児のように似ている。
日本の教育は「金になるのか、ならないのか」を問うことだけがリアリズムだと信じてきた「六歳児の大人」たちによって荒廃を続けている。
どこまで日本を破壊すれば、この趨勢はとどまるのであろうか。
私にはまだ先が見えない