架空の杜

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図説 世界の歴史〈1〉「歴史の始まり」と古代文明

図説 世界の歴史〈1〉「歴史の始まり」と古代文明

時間が出来たら腰を落ち着けて世界史を学ぼうと以前から思っていました。いろいろな書評を読んでこのシリーズに決めました。今一冊目を読んでいますが翻訳も美しく楽しく読める本です。

歴史書、得に世界史の本の傾向は、何から何まで載っていて、非常に細かい記述が多いものだが、本書の特色は著者であるJ・M・ロバーツ氏が冒頭に述べたように、『現在に影響を与えたであろう事柄を中心にとりあげた』だけあって、簡潔かつ体系的にまとめられている。過去の事象の年代表記が少ないのはやや不満だが、歴史の流れを最重要にしているであろう本書の特色を鑑みれば、それも払拭される。『です、ます』調の文体は平易で判り易く、時事問題を突発的なものと捉えがちな多くの方々に読んでもらいたい。歴史とは過去からの蓄積、継承であり、この大きな流れは変わらないと言う事がわかる。先のイラク戦争も、歴史の大きな流れに沿えば、避ける事の出来なかった人間の行為に思えてくる。