架空の杜

The journey is the reward.

カウンセリング治療効果

ついにこの問題に足を突っ込みました林先生です。カウンセリングのうち「古典派」系(フロイトユングアドラー)の治療効果については疑義を表明する医療関係者が激増しています。人の利権が絡む問題なので、あまり表立って批判する精神科医は少なかったのですが、そろそろ本格的な論戦が始まる気配はあります。ひきこもりの権威、斎藤環氏も遠まわしながら古典派カウンセリングを「トラウマ至上主義」といって批判していますし、色々と面倒な問題です。(アドラーはトラウマ至上主義とは相反する立場ですが) カウンセリングに過度に期待を持っている人は結構いますが、実際は薬の方がよほど有効で、手垢のついたカウンセリング手法は、嘲笑の対象になっているのが現実です。もっとも、進んだ実効性のある臨床心理学(彼らはカウンセラーという言葉を嫌う)も存在しているわけでして、米国では境界例の治療に大きな成果をあげています。日本の問題は、古典派カウンセラーが利権を握って政治力で新興勢力を押さえつけて、先端の臨床心理治療が受けられない(きわめて受けにくい)点にあります。