架空の杜

The journey is the reward.

プロとアマチュア


スポーツに限らずどの世界でもプロとアマチュアは存在する。
プロとはプロフェッショナル、それを生業(なりわい)とし
ていること。すなわち「食べていける」ことがプロであるこ
との最低条件であると思う。

例えば野球の世界ならどうか。
いったい日本に野球人口が何万人いるのかわからないが社会人
チームに入れる人は1000人に一人もいないだろう。
しかし、そのレベルでは野球で飯は食えない。社会人レベルの
中でさらに何十人かにひとりがプロになれる。しかしプロにな
ってもまだ飯は食えない。プロの中のまた何人かに一人が一軍
に上がれてようやく飯が食えるようになるのだ。しかし、一軍
になったとしても安定して稼げるのはその中の一握りの選手だ
けだ。

では、ビジネスの世界ではどうなのだろうか。たとえば、日本
全国に営業マンは山ほどいるがプロといえるのはそのうちの何
パーセントか。飯が食えればプロだというのならそのほとんど
がプロということになる。野球に比べてなんとも楽な世界だ。
野球に限らず、歌手でも映画俳優でもレーサーでも上位10%
に入る程度の実力では飯は食えないのが現実だ。ではなぜ、営
業マンだけが飯が食えるのか。

実は営業も同じで本当は少なくとも上位3%くらいには入っ
ていないと飯は食えないのだ。
要するに食わせてもらって
いるに過ぎない。ところが本人は実力で食っていけていると勘
違いしてしまっている。「俺は営業マンの中では真ん中より上。
立派なもんだ。」と、プロレベルから見ればなんとも甘い考え
で生きてきたのだ。

しかし、世の中はそんなに甘くはない。ちょっと景気が悪くな
ると実力のない人は、やはり飯は食えないのだ。そして飯が食
えなくなると会社や世の中を恨んだりする。

もちろん、飯が食えないのは景気のせいでも、会社のせいでも、
首相のせいでもない。プロがプロとして実力を磨いてこなかっ
た本人に100%責任があるのだ。

とにかく、ビジネスの世界はあいまいだ。
プロといえるレベルがわかりにくい。本当はアマチュアの営業
マン、アマチュアの管理職なのに「プロですよ」という顔をし
ている。いや、プロだと思い込んでいる。

しかし、プロといえるレベルは決してそんな甘いものではない。
野球やゴルフと同じで血の出るような努力をしてそれでもなか
なか行き着けないレベル。一度たどり着いても気を抜けばすぐ
に滑り落ちてしまうようなレベル。それがプロといえるレベル
なのだ。

人間は生きていくためには何らかの分野でこの「プロ」といえ
るレベルに到達しなければならない。そうでなければ生きてい
けないのだ。しかし、この事実をいったい何割の日本人が自覚
しているのであろうか。

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