* 博物館級の超レア品（19 世紀末〜戦前）は、むしろ記録更新が続く
- 1890 年代 501 が 2024 年 11 月の Inspiration Tokyo で 24 万ドル（約 3,700 万円） に到達(BIDSTITCH)
カート・コバーン着用の 1993 年製 501 は 2025 年 4 月、米競売で 41 万 2,750 ドル(Instagram, Medium) → “一点モノ＋ストーリー付き”は依然としてオルタナ資産として買いが殺到。
ミドルレンジ（1950〜70 s Big E／66 前期など）は高値圏キープだが
- 東京都内の 60 s 501XX 買取相場は 35〜60 万円（2025 年 1 月 時点）(不用品ラボ)
- ヤフオク! では 66 後期ほぼデッドに 24.5 万円、60 s 505 Big E 2 万〜3 万円台など、過熱せず落ち着いたレンジで推移(Yahoo!オークション) → 2021〜22 年に比べ“急騰フェーズ”は終了し、状態・サイズで細かく値付けが分かれる局面。
“お手頃枠”（80〜90 s Made in USA 501 ほか）は横ばい〜やや軟調
- 1 万円台前半でも濃紺個体が拾える例が増加。エントリー層の裾野は逆に広がっている。
需要面 ― ブームは“マニア層”から“メインストリーム”へ
| 指標 | 変化 | 背景 |
|---|---|---|
| The RealReal 検索数 | ＋69 %（2024 YoY）(The RealReal) | Beyoncé「Levii’s Jeans」を含むカウボーイ／Y2K リバイバル、TikTok Thrift コーデ |
| セカンドハンド市場規模 | 年 12 % 成長見通し（25→30 年）(Stellar Market Research) | サステナビリティ志向とインフレ対策 |
| 投資家・メディア | 2024 年秋 Bloomberg が「デニム・バブル警戒」を指摘(ブルームバーグ) | 株価調整・金利高で“実物資産”過熱懸念 |
供給面 ― 玉不足のまま、円安がさらに海外資金を呼び込み
- 90 s 以前の米国生産が枯渇方向。国内古着店は円安を利用した “逆輸出” モード。
- 真贋トラブルも増加。2024 年 TRR では“スーパーコピー”急増と警告(The RealReal)
今後の見通し（2025〜26 年）
| セグメント | 価格トレンド | ひと言メモ |
|---|---|---|
| 19 世紀〜大戦モデル | 上値余地あり | コレクター / ラグジュアリーオークションへ資金集中 |
| 50〜60 s Big E・XX | 高止まり〜緩やか調整 | 為替・景気次第。色残り◎・大きめサイズは底堅い |
| 66 後期〜90 s USA 製 | 踊り場 | 供給増で選別相場。着用目的なら今が買い場 |
投資・購入のチェックポイント
- タグとステッチ（Big E、大文字 “V” の均等/不均等、シングルステッチ）
- ボタン裏刻印・隠しリベットで年代特定
- 色残り 8 割以上・リペア痕の少なさが価格を左右
- 高額帯は 鑑定書 or 出どころ証明 を必ず付ける
- 501 以外では 506XX/507XX ジャケット や 505 66 前期 も堅調
結論
- “投機バブル”と呼ばれた 2020-22 年ほどの急激な値上がりは一服。
- しかし コレクション級レア品は史上最高値を更新 しており、
- 中価格帯は高値安定、90 s 以降は実需価格へ正常化。
つまりトレンド自体は沈静化しておらず、“二極化”という形で続行中。 投資か着用かで狙いどころが大きく変わるので、目的に合わせてセグメントを選ぶのが賢明です。
