架空の杜

The journey is the reward.

放送コンテンツの東西格差

NHK朝ドラ

朝ドラを目覚まし代わりに観るようになっての二作目、有村架純主演のひよっこがおもしろい。前クールのべっぴんさんの後半のグダグダ感にウンザリしていたので、この激変ともいえる内容の良さにビックリしている。ドラマというのは脚本次第だと当たり前のことを強く感じている。そして、脚本だけではなく、全体的に質感が圧倒的に上だ。

NHKの朝ドラは伝統的に、上半期が大阪製作、下半期が東京制作だと知った。NHKだから東西で金銭的な予算の枠に差があるわけないハズだ。それでも作品を通してべっぴんさんでは随所に感じたチープをひよっこでは感じない。理由は、東京の方がドラマ制作に関する人的資本及びインフラの厚みが遙かに上だからだ。

ラジオ

東西格差といえば、ラジオ番組の格差も著しい。私は8年聞き続けたABCラジオをあっさり見限って、ラジコプレミアムでTBSを愛聴している。ABCラジオは関西の聴取率トップだが、関東トップのTBSラジオと比べると、前述の朝ドラ同様、チープさ満載で、実際ラジオ番組に投じている放送局の予算が感覚的に一桁違う気がする(おそらく間違ってはいまい)

ABCならゲストに訪れることが決まったら半月前から告知を繰り返しそうなビッグなゲストが連日出る。ほぼパーソナリティとアシスタントだけで切り盛りしているABCラジオと比べると、番組に彩りを添えるタレントがたくさん出るのも賑やかでよい。TBSラジオに馴染んでしまって、たまにABCに切り替えてみると、なんか番組の雰囲気自体が安っぽくて無彩色に感じられて萎えてしまう。

ネット社会の世俗化で個々人の文化的地域格差というのはほぼ無くなった。ネットに繋がっている限り享受できるコンテンツの質に差は既にない。しかし、享受側では差がなくなっても、コンテンツの送り出し側の力量の格差は歴然としている。特に放送コンテンツの制作総合力は露骨な東高西低だ。