架空の杜

The journey is the reward.

A Hard Day's Night

A Hard Day's Night

3枚目のアルバムにして初期の代表作。世界制覇が確定した後に着手されたアルバムであって、前二枚とは注ぎ込まれたエネルギーからして全然違う。このプレッシャーに打ち勝って大半の曲を提供したジョン・レノンのエネルギーは凄まじいものがある。そしてある意味、ジョンのエネルギーの多くを燃焼し尽くしてしまった一枚でもある。全13曲中10曲をジョンが作詞作曲し、1曲をポールと共作している。後のポールの才能大爆発を考えると、もうちょっと手伝ってやれという感じが今更ながらするが、ある意味ジョンよりも俗人であるポールは成功に酔いしれ、ジェーン・アッシャーとの生活で夢心地だったのだろうか?レコーディングは4トラックレコーディングに進化し、EMIのスタジオも広い第2スタジオを多用しているためか、音に開放感があり当時の最先端レコーディングの質を実感できる。ジョージが何とか凡百のギタリストと自分を差別化するためにと多用した12弦ギターのサウンドもこのアルバムのポイントの一つである。