2005-08-22 蓋然的思考 しかし重要なのは、結果は悪かったにせよ、投資の判断は必ずしも間違って いたわけではないということだ。交渉が決裂したあとで、私たちはいつもこれを吟 味しなおし、見逃したかもしれない手がかりを探した。しかし大きく痛い損失であ っても、何か判断ミスをしたとはかぎらなかった。保険数理的ビジネスもそうだが、 裁定取引の本質は、確率を正しく計算すれば、大部分の取引で、そして取引全体の 総額でも儲けが出るということだ。六対一のリスクを冒せば、七度に一度は予見で きたリスクが生じて損をする。