架空の杜

The journey is the reward.

アンチ経済コラムマガジン


「自分は口先だけの評論家でよい」と割り切っている馬鹿評論家たちにとって、敢えて不可能な「あるべき論」を唱え続けるというスタンスは極めて賢い選択肢になり得る。

その「あるべき姿」が決して実現しないユートピアであることを熟知した上で、「俺が唱えるユートピアに至っていないではないか」と批判し続けるという作戦には「負け」がないからである。

要するに、100点満点が取れない状況を自分勝手に想定した上で、「100点満点でない限り、お前は0点だ」という論法をとるのである。これなら、どう転んでも、自分の論理は破綻することがない。

論壇的には最強のポジションをとることができる。しかし、そういう評論家は、「保身」という観点に立てば限りなく賢いが、「世の中を改善する」という視点に立てば単なる目障りなクソ野郎でしかない。

そういう馬鹿論者たちは、世の中を本当に改善することには興味がなく、「俺は議論に負けない」という極めて小さく個人的な満足感に浸りたいだけの無責任な小人なのではある。