架空の杜

The journey is the reward.

サルまんの与えた影響は多大なものがあり、おそらく職業漫画家は一度は必ずパロディのネタにしている筈だ。かのエヴァンゲリオンのテレビ版最終話にもそっくり引用した箇所がある。この作品は80年代末に戦後発展し続けた漫画文化を創作の技法の点から総括したものであり、29歳の時点でここまで漫画の世界を俯瞰する視点を持っていた竹熊健太郎という人物の凄さが最もよく出た作品である。その一方でギャグ漫画としても非常に優れており、作品内作品の「とんち番長」の壊れた電波世界はいつ見てもその異様なエネルギーに圧倒されてしまう。やっと増刷がかかったので、まだ未読のマンガファンはぜひ読むべきである。
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