架空の杜

The journey is the reward.

Oh Dear

Oh Dear

大塚利恵の1stアルバム。後の彼女の作品と比べると、ロリータボイスと独特の透明感のある詞が全面に押し出されている。収録されている曲の殆どは彼女がティーンエイジャー時代に創られたもので、アレンジも初々しさを強調させるようなアコースティックを主体としたものになっている。マーケティングとしては純粋無垢な少女路線で売り出したかったことが明白である。これが後にクリエイターとしての意識が強い彼女との相克の元となった。抜けた才能を持ちながらブレイクしなかった理由は、1stアルバムから顕著だったのである。真の才能爆発となった2ndアルバムでは、彼女は既に熱心にマーケティングされるアーティストではなくなっていた。哲学めいたタイトル曲、少年の死をテーマにしたデビュー曲の「いいよ。」 谷川俊太郎にインスパイアされたと思われる「さかなの夜」 彼女の個性がフルに発揮された名曲「玉子ごはん」他を収録。