架空の杜

The journey is the reward.

宮台

階級文化のない日本でも「自ずと発露される美意識に基づく行動」「自己充足的な美学的行動」を「紳士的」と呼びうる。その意味で「自己充足的な美学的行動」は論理的には誰にでも開かれている。だが現実的には日本人に難しい。ルース・ベネディクトが言うように、日本人は「他人の中に自分を位置づけないではいられない文化=恥の文化」を生きるからだ。階級が厳然としてあるヨーロッパなら、『競争に勝って上昇しても、自分には決して参加できないゲームがある』ことが小さい頃から分かる。誰もが「横並びの田吾作」に見える日本では、永久に「田吾作どもの つば競り合い」が続く。確かにウンザリだ。