架空の杜

The journey is the reward.

小泉パラドクス

政府の「景気無策」にもかかわらず、景気回復の足取りには強固なものがある。どうしてなのか。本欄で度々言及しているように、その根因は「小泉パラドックス」にある。小泉政権が経済政策で無策であるがゆえに、民間企業はここ2〜3年、本格的なリストラに真剣に取り組もうとの自己防衛本能に目覚めたのだ。大幅な含み損を抱える土地・建物や不採算事業などの損切り断行(特損処理など)、さらに人件費圧縮(パート、派遣・契約社員など非正社員増や賃下げなど)がその表れである。だから、今回の景気回復には企業経営の刷新という他律的でない、自律的な内部要因が働いている。