2025年9月16日、音楽評論家の湯川れい子氏がX(旧Twitter)で、Babymetal(以下、ベビメタ)をめぐる投稿を行い、これが大規模な炎上を引き起こしました。きっかけは、湯川氏がピーター・バラカン氏の過去のベビメタ批判(2014年頃のラジオ発言で「メタルを侮辱している」とのニュアンス)に対する反応として、ベビメタの評価を「美しさと若さだけで評価されている」「音楽的な実力でも、魅力でもありませんよね」「実にジェンダー的な、水商売的な評価」と表現した点にあります。この投稿は即座にファンの反発を呼び、X上で数万のエンゲージメント(いいね、リポスト、引用)を記録。 ファンは「失礼にも程がある」「ジェンダー差別的」と非難し、湯川氏の過去の発言(Perfumeを高く評価していた点)と矛盾するとの指摘も相次ぎました。
湯川氏は9月18日頃に謝罪投稿を行い、「表現が過剰だった」と釈明しましたが、炎上は収まらず。むしろ、音楽プロデューサー近田春夫氏が湯川氏に同意するような投稿(「ベビメタの音楽的興味は薄い」)をしたことで「延焼」し、さらなる批判を招きました。 9月下旬にはメディアが相次いで取り上げ、AERA dot.の記事で「ベビメタ論争はなぜいつも過熱するのか」と特集されるほどに発展。 現在(10月2日時点)もX上で散発的な議論が続いており、ファンの間で「老害発言」「世代間ギャップ」との声が目立ちます。
論争の両側面:肯定的意見 vs. 否定的意見
この論争は、ベビメタの音楽的価値や評価基準をめぐる対立が核心です。以下に、主な意見を整理します。
| 側面 | 主な主張 | 代表的な声(Xや記事から) |
|---|---|---|
| 肯定的側(主にファン・擁護派) | - ベビメタは10年以上にわたり、世界ツアー(例: 2025年ワールドツアーでO2アリーナ完売)で実力を証明。メタルとアイドルの融合が独自のエンタメとして成功。 - 初期イメージ(可愛い少女のメタル)が残るが、現在はボーカル・パフォーマンスのクオリティが高く、海外大物アーティストからも評価。 - 評論家の発言はジェンダー偏見や時代遅れで、成功を妬む「水商売」表現は侮辱的。 |
- 「ベビメタは国益に貢献。総合芸術として完成度が高い」(Xユーザー) - 「地道なライブ活動で海外人気を築いた。知らないで言うな」(Xユーザー) |
| 否定的側(主に評論家・一部批評派) | - ベビメタの魅力は「見た目や若さ頼み」で、ボーカルの感情表現が薄く、メタルとしての本質が欠如。 - アイドル要素が強く、「水商売的」な商業主義が目立つ。Perfumeとの比較で「本物の音楽性がない」との指摘。 - 世代間ギャップ:高齢評論家は伝統メタルを基準にし、ポップ/エンタメ寄りのベビメタを「まがいもの」と見なす。 |
- 湯川氏:「音楽的実力ではなくジェンダー的な評価」(X投稿) - 近田氏:「音楽的興味は薄い」(X投稿) |
Xの投稿では、肯定的側が圧倒的に多く(例: 湯川氏批判のポストが数万いいね)、否定的側は少数派ですが、メディアでは「両論併記」の形でバランスを取っています。
客観的な俯瞰:論争の本質と背景
この炎上は、ベビメタ特有の「メタル×アイドル」というハイブリッド性が、伝統的な音楽評価の枠組みを揺るがす点に起因します。ベビメタは2010年代初頭のデビュー時から「本物のメタルか?」との論争を繰り返しており(例: 海外メタルファンからの初期拒否反応)、今回もその延長線上です。 肯定的側は「エンタメの進化」として捉え、否定的側は「商業主義の産物」と見なす対立は、音楽の多様化(ポップ/ロックの境界曖昧化)を反映しています。
さらに、背景として: - ジェンダー/世代のバイアス:高齢男性中心の評論家層が、若い女性アーティストの「可愛さ」を軽視する傾向。湯川氏のような女性評論家でも、類似の表現が出る点が興味深い。 - SNSの加速効果:Xのアルゴリズムが熱狂的ファンを集め、急速に拡散。結果、評論家の影響力が逆説的にベビメタの宣伝になる「炎上商法」的な側面も。 - 文化的文脈:日本国内ではベビメタの評価が低め(オリコン上位だが批評家無視)なのに対し、海外ではフェスヘッドライナー級。 このギャップが、国内論争を過熱させています。
最終的に、音楽は主観的。ベビメタの成功(ビルボード記録、グローバルファン)は事実ですが、批評の多様性も文化の豊かさを示します。炎上は一過性ですが、こうした議論がアーティストの進化を促す可能性もあります。