架空の杜

The journey is the reward.

フリーター漂流

フリーター漂流

あと3年遅く生まれていたら・・・と思うと人ごとではない。私は不況下、この10年で4回転職した。4度目はさすがに年齢的にやばく、フリーター転落の危機感を持った。曲がりなりにも不況下で転職を繰り返し5番目の職場に就くことができたのは、職歴に一貫性があったからだ。職務に対して知的好奇心を抱いたことは殆どないのだが、石の上にも何とやらで、やはり相応の知識と対応力はつく。最初の会社は規模だけはやたら大きかったが、よい思い出がほとんどない。称賛されるのは体育会系の人間ばかりで、せっかくとってきた仕事をすぐ取り上げられたりした。でも、ブランド力のある会社で5年勤めたという職歴は学歴なんぞ問題にしないぐらい、転職活動を救ってくれたのは事実だ。旧友で新卒で中堅下位の証券会社に入ってしまい、1年で辞めてそれからフリーターをしている奴がいるのだが、最近はバイト先すらなかなか見つからないという。この本でも出だしで躓いた人たちのため息が溢れている。私のような精神病持ちの人間が(転職先の会社の規模がどんどん小さくなっているにせよ)転職を繰り返せるのに、履歴書に空白若しくはバイトの職歴があるというだけで、理不尽な差別を受けている人がいかに多いことか・・・ 特に団塊ジュニアの世代には気の毒な人たちが多すぎる。政府や野党は「格差社会の是正」とか大風呂敷を広げる前に、デフレ期にスタートで躓いた人たちを、とにかく最初に救済してあげて欲しい。